強炭酸水でeスポーツ時の
判断力を維持
eスポーツ時の
判断力の変化を検証
ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉え、世界の競技人口が約1億人ともいわれる「e(エレクトロニック)スポーツ」。日本においても2020年の時点でeスポーツファン数(試合観戦、動画視聴経験者)は685万9000人*1とされています。
この「eスポーツ」は、プロ選手が活躍するハイレベルな国際大会などがある一方で、ケガのリスクが低く、子どもから高齢者まで年齢や性別を問わず、また障がいなどがある方でも同じようにプレーできる、バリアフリーな「インクルーシブスポーツ」となる可能性も持ち合わせています。
そのようなポテンシャルを持つeスポーツではありますが、プレー時間の経過とともにプレイヤーの実行機能(判断力)の処理速度と正確性が低下していくということが研究の結果からわかっています。
そこでアサヒ飲料では、全国に先駆けスポーツ科学の対象としてeスポーツ分野に取り組んできた筑波大学(研究代表:スポーツイノベーション研究開発センター 松井崇 助教)との共同研究により、eスポーツプレー時に強炭酸水を飲むことで、認知機能の一つである実行機能(判断力)に、どのような変化が見られるかを検証しました。
- *1 ゲームメディア『ファミ通』(KADOKAWA Game Linkage)によるeスポーツ市場動向調査より
水と比べて処理速度と
正確性の低下が抑制された
今回の実験は、eスポーツのプレー経験がある筑波大学の学生15名を被験者に実施。eスポーツをプレーする前後とプレー中の1時間毎の合計4回、強炭酸水か水のどちらかを飲んでもらい、合計3時間のプレー内で1時間毎に「処理速度」と「正確性」を評価する認知課題成績測定を行いました。
その結果を比較したところ、水を飲んだ場合はプレー開始から2時間以降で「認知課題の処理速度」の有意な低下が見られましたが、強炭酸水を飲んだ場合では有意な低下は見られず、プレー中に「情報処理の速度」を維持できていることが分かってきました。

また、「認知課題の正確性」においても、水の飲用ではプレーを始めてから3時間の時点で有意な低下が見られたのに対し、強炭酸水の飲用では有意な低下は見られず「情報処理の正確性」を維持できていることがわかりました。

これらの結果から、強炭酸水の飲用は、eスポーツプレー時の実行機能(判断力)、すなわち情報処理の速度と正確性の両面において低下を抑制する可能性が示唆されたのです。
- 参加被験者:若齢成人15名(男性14名╱女性1名)、平均年齢 22.9 ± 2.5歳
- どちらも4℃に設定した強炭酸水、水を各4回(1回目200ml、2回目100ml、3回目100ml、4回目100ml)摂取する(クロスオーバー試験)
- 1時間のプレーを連続で3回行い、プレー時の瞳孔径計測と各プレー前後で主観評価と認知課題成績測定を実施し、結果を比較
- 今回の実験では、市販のサッカーシミュレーションゲームを使用
【特設ブースでの
認知課題実験風景】

【*2 認知課題(フランカー課題)】
一致課題
不一致課題
モニター画面に表示された真ん中の矢印を見て、向きを「右、左」と答えるもの。1つだけ向きが異なる矢印が表示された場合、判断が難しくなる。その正確性と答えるまでの時間から認知機能を評価。
プレー時間毎の計測内容

出典:炭酸水の飲用は長時間のeスポーツプレーによる認知疲労を軽減する(第40回日本生理心理学会、2022年)