研究成果 2009年 レポート

「べにふうき」緑茶飲用開始時期がスギ花粉症の症状軽減効果に及ぼす影響

Mari Maeda-Yamamoto, Kaori Ema, Manami Monobe, Ikuo Shibuichi, Yuki Shinoda, Tomohiro Yamamoto and Takao Fujisawa:
The Efficacy of Early Treatment of Seasonal Allergic Rhinitis with Benifuuki Green Tea
Containing O-methylated Catechin before Pollen Exposure: An Open Randomized Study:
Allergology International 2009; 58(3)

背景・ねらい

 茶葉中から見出された抗アレルギー物質であるメチル化カテキン(EGCG3”Me)を多く含有する「べにふうき」緑茶のスギ花粉症に対する臨床効果が検討され、全国で販売されるようになってきたが、症状軽減に効果的な飲用開始時期が不明であった。
そこで、「べにふうき」緑茶をスギ花粉飛散後に短期飲用した場合と比較して、花粉飛散1ヶ月以上前から長期飲用した場合の影響をヒト介入試験(オープン無作為試験)によって明らかにする。

成果の内容・特徴

  1. 試験は、スギ花粉症有症者36人を2群に分け、「べにふうき」緑茶飲料(1本当たりEGCG3”Meを17mg含有)を1日2本ずつ飲用してもらう。長期飲用群では花粉飛散1ヶ月以上以前から飲用し、短期飲用群では花粉飛散が始まり症状が出始めてから飲用を開始する(図1)。すべての被験者はその日の症状及び有害事象についてのアレルギー日誌を毎日つけてもらう。試験終了後、日誌を回収し、鼻・目のsymptom score(症状スコア)及び鼻のsymptom medication score(症状重症度点数に薬物点数を加味したスコア)(アレルギー協会方式)を計算・解析して、2群間での差を比較する。
  2. 平年より少ないスギ花粉の飛散条件においても、花粉の飛散にともない、各症状が悪化する(スコアが上昇する(図2)。鼻かみ回数(図2A)、咽頭痛(図2B)において、長期飲用群が短期飲用群に比べ、花粉飛散に伴う症状の悪化が有意に抑制される。鼻かみ回数、咽頭痛とも、症状が最も悪化する週において有意な差が見られる(それぞれP<0.05、P<0.01)。
  3. 涙目、生活の質、鼻symptom medication scoreにおいて、長期飲用群が短期飲用群に比べ、花粉飛散に伴う症状の悪化が有意に抑制され、鼻づまり、鼻symptom scoreでは抑制の傾向が見られるが、目のかゆみ、目symptom scoreでは両群間の差はほとんど見られない(データ省略)。

成果の活用面・留意点

  1. 15週間の使用期間内で有害事象として、胃の調子を悪くした被験者がいるので、空腹時の飲用には注意を要する。
  2. 「やぶきた」緑茶と比較した「べにふうき」緑茶のスギ花粉症軽減効果(二重盲検試験)についてはこちらを参照。

具体的データ

その他

研究課題名
動物、ヒトを用いた薬理効果試験、生体吸収性・安定性・成分特性等の解明による、茶葉中抗アレルギー成分、抗ストレス成分の飲食品、医薬部外品への応用
研究期間
2005〜2007年度
研究担当者
山本(前田)万里(農研機構 野菜茶業研究所)、物部真奈美(農研機構 野菜茶業研究所)、藤澤隆夫(国立病院機構三重病院)、渋市郁雄(アサヒ飲料)、篠田有希(アサヒ飲料)

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