私たちの研究していること

より使いやすい商品を目指して。
ユニバーサルデザイン評価

商品ラベルには、安心して飲んでいただけるように、さまざまな情報を記載しています。
ただ、色の見え方には個人差があり、同じラベルであっても図の@やAのように見える方もいます。
そこで情報をより多くの人が見やすいように改善することも、研究開発の取り組みです。

同様に、できるだけ多くの人にとって使いやすい・わかりやすいボトルやラベルをデザインするため、ユニバーサルデザインの観点から、総合的に使いやすさ・わかりやすさを評価する試みをはじめています。
例えば、購入〜廃棄時までの場面を想定し、当社品と他社品の使いやすさ・わかりやすさを比較しました。その結果、見え方だけではなく、ボトル自体の実際の持ちやすさ、キャップの開けやすさ、ラベルのはがしやすさといった当社品の優位点・改善点も見つけました。
またリニューアル前後のボトルの評価も行い、狙い通りに改善できていることも確認しています。
今後は、幅広い年代別での評価などを通して、より多くのお客様にとって使いやすく、わかりやすい商品の開発につなげていきます。



より安全に、より早く。
微生物の迅速同定、簡易検出
微生物をよりすばやく、そして少ない微生物の数でも解析・同定できることは、より安全な商品をお客様に届けることに直結します。
それを可能にするために導入した機械の1つが「MALDI-TOF MS」。
MALDI-TOF MSは、田中耕一氏がノーベル賞を獲ったことでも知られている技術が使用されている機械で、従来は1週間ほどかかっていた微生物の正体の解明が、30分ほどでできるスーパーマシンです。これ以外にも、微生物のDNAを使って迅速に正体を解明することも実施しています。

さらに研究所では、専門知識を持った人でなくとも、簡単に素早く結果が出る、微生物の正体解明技術の開発にも取り組んでいます。
今後もこれらの取り組みを通して、出荷までにかかる時間を短縮することで、製造からできるだけ作りたてに近いフレッシュな商品をお届けできるよう努めていきます。


日々の研究の蓄積が、
明日の安全・安心を支えている
青山研究員
このシステムを使用するには、様々な菌のデータを蓄積しなくてはなりません。医薬品や食品と比較すると清涼飲料水が対象としている微生物は非常に特殊なため、自ら数百種類以上の微生物のデータを収集し、2年かかって清涼飲料水への適用を可能としました。
このシステムを応用し、カビに対しても迅速法としても確立できれば、ほぼすべての微生物の迅速同定が可能となります。その日が、できるだけ早く訪れるようにこれからも研究を進めていきます。



自然の力を最大限活かす。
果実由来成分の微生物制御
素材の持つ未知なるチカラを調べるのも重要な研究です。
より果汁に近い味わいの商品をつくる際、微生物を制御する加熱殺菌が風味を落とす1つの要因になります。その悩みを解決する成分を、『バヤリースオレンジ』から発見しました。
『バヤリースオレンジ』は果実本来の味わいを引き出すために、果実からとってきた香り成分を加えています。同商品のレシピの開発中、ある微生物が増えにくい処方があることに気がつきました。その理由を調べてみると、オレンジの皮に豊富に含まれる香りの成分「リモネン」に、微生物の増殖を防ぐ効果があることが分かったのです。
この発見により、「リモネン」を加えることで、これまでよりも殺菌の温度を下げることができるようになり、より果実のみずみずしいおいしさをお届けできるようになりました。



自然の水を、自然のままに。
濾過除菌技術の活用
アサヒ飲料では、水そのものをできるだけ自然のままの状態でお客様にお届けすることができるよう、現在「濾過除菌」技術を活用してミネラルウォーターの製造を行っています。
これは、通常熱殺菌による殺菌が一般的だったものを、「悠久の時を経て自然に湧き出た水を、できるだけそのままの状態でボトリングできないか」という考えのもと、特殊な濾過技術によって熱をかけることなく、採水した水の中にいる菌を除菌することに成功しました。
これは、長年にわたりどのような菌が熱に強く、また、独自の濾過装置によって取り除くことができるか、といった研究成果によって実現できたものです。今後もこうした取り組みを続けることで、日本の自然が生み出した「水」のおいしさにできるだけ手を加えることなく、ありのままに近い状態でお客様にお届けしてまいります。

