研究ノート

STUDY NOTE

なるほど!がいっぱい

研究ノート

アサヒ飲料では、みなさんの健康で豊かな毎日をサポートする商品を開発するべく、日々研究に取り組んでいます。ここでは、わたしたちの研究とその成果を、わかりやすくご紹介します。アサヒ飲料では、みなさんの健康で豊かな毎日をサポートする商品を開発するべく、日々研究に取り組んでいます。ここでは、わたしたちの研究とその成果を、わかりやすくご紹介します。

Vol.3

世界初の技術を活用した乳酸菌飲料開発
~研究開発担当者インタビュー~

担当者が語る
「乳酸菌CP1563株」が入った商品
「カラダカルピス」の魅力

体脂肪を減らす「乳酸菌CP1563株」の発見から、約10年。
そのチカラを引き出す研究や素材化、そして「乳酸菌CP1563株」を
使用した初めての商品「カラダカルピス」の開発に至る、様々な困難と
それを乗り越えるための工夫、想いについて、担当者の声をお届けします。

INTERVIEW 01

体脂肪を減らす乳酸菌を発見
研究開始から10年の時を経て商品化

きっかけは乳酸菌を使った体脂肪対策

アサヒグループホールディングス(株) コアテクノロジー研究所 菅原智詞
アサヒグループホールディングス(株) コアテクノロジー研究所 菅原智詞

アサヒグループホールディングス(株)
コアテクノロジー研究所
菅原智詞

※アサヒグループにおける中長期的な事業の発展につながる研究テーマについてはアサヒグループホールディングス(株)が中心となって取り組んでおり、当社とは素材の研究、及び生産プロセスの構築等において連携しながら開発を進めています。(2017年3月29日現在)

Q.研究のきっかけは?

私たちのチームは、乳酸菌や乳酸菌の代謝物がヒトに対して、どのような良い効果があるかを研究しています。はじまりは約10年前、その頃、体脂肪対策に注目が集まっており、「直接、体脂肪の燃焼に働きかけるような乳酸菌(または素材)がないか探してみよう」と、研究を開始しました。社内の乳酸菌ライブラリーの中から、脂肪燃焼を促すPPARαを活性化する能力が高い乳酸菌を選出。その能力が最も高かったのが、「ラクトバチルス・アミロボラス乳酸菌CP1563株」(以下、「乳酸菌CP1563株」)です。 当時、PPARαを指標にした乳酸菌の選抜は画期的なことでした。

世界初!乳酸菌を破砕して
菌のチカラを引き出す

Q.なぜ破砕するの?

PPARαを活性化する有効成分が、菌体の中にあることが予想されていました。そこで、菌を割って中身を露出させることでより効きやすくしようとしました。そして実際に破砕したところ、より効果が出ました。乳酸菌を丸ごと砕くことで脂肪燃焼に働きかけやすくするというのは、世界初の試み(特許取得済)です。

POINT

PPARαとは、肝臓や骨格筋、小腸、褐色脂肪細胞などに存在するたんぱく質の一種。これが活性化することで、体内にある脂肪燃焼酵素を生み出す遺伝子のスイッチが入ります。

INTERVIEW 02

「乳酸菌CP1563株」の培養方法を検討し、
粉末の素材化をする

1000分の1mmの乳酸菌を粉末状に破砕する

アサヒグループホールディングス(株) プロセス開発研究所 上杉泰介
アサヒグループホールディングス(株) プロセス開発研究所 上杉泰介

アサヒグループホールディングス(株)
プロセス開発研究所
上杉泰介

※アサヒグループにおける中長期的な事業の発展につながる研究テーマについてはアサヒグループホールディングス(株)が中心となって取り組んでおり、当社とは素材の研究、及び生産プロセスの構築等において連携しながら開発を進めています。(2017年3月29日現在)

Q.素材化で、苦労した点は?

コアテクノロジー研究所が発見した機能性乳酸菌を、商品化や研究開発のために、素材化するのが我々プロセス開発研究所の役割です。「乳酸菌CP1563株」の素材化の研究開発がスタートしたのは、2014年の年明け。脂肪燃焼機能を持つ乳酸菌はとても珍しく、一日でも早く工場の生産ができるように、プロセスを1から積み上げていく必要がありました。「乳酸菌CP1563株」は、破砕することで菌のチカラを最大限引き出せます。とはいえ乳酸菌のサイズは1マイクロメートル(1000分の1mm)というとても小さなサイズなため、菌の活性を担保しながら微細化できる破砕機器を新たに選定したりと、様々な検討が必要でした。

「乳酸菌CP1563株」が好きな食べものを探る

Q.どうやって菌を増やすの?

「乳酸菌CP1563株」を使った飲料などを商品化するには、素材となる「乳酸菌CP1563株」の量を十分に確保しなくてはなりません。そのために「乳酸菌CP1563株」の大量培養方法を確立するのも、私たちの仕事です。そのポイントの一つが、「何を与えるのか? 」。菌は生き物であり、培養を安定して行うには、培地(菌を増やすための栄養源)が重要になります。菌ごとに好き嫌いがあるからです。今回は、グループ会社である アサヒグループ食品(株)と共同で開発した「乳酸菌CP1563株」専用の酵母エキスを採用しました。

INTERVIEW 03

マーケティング担当者と一体となって
コンセプトをカタチにする

水に溶けない「乳酸菌CP1563株」を
どうやって確実に摂取していただくか

アサヒ飲料(株) 商品開発研究所 松浦啓一
アサヒ飲料(株) 商品開発研究所 松浦啓一

アサヒ飲料(株)
商品開発研究所
松浦啓一

Q.飲料化で、最も苦労した点は?

マーケティング担当者と決めた非炭酸の「カルピス」系飲料というコンセプトをもとに、実際に飲料のカタチにするのが私たち商品開発研究所の役割です。今回、破砕して粉々になった「乳酸菌CP1563株」の沈殿対策が、商品化において乗り越えなければいけない、大きな技術ポイントの一つでした。粉末状の「乳酸菌CP1563株」は水に溶けないため、沈殿しやすい素材となっています。せっかく体脂肪を減らす効果を持つ素材を入れても、ペットボトルの底に沈殿したままでユーザーのからだに入っていかなくては、健康効果を十分に感じていただけません。そこで、 原料や製法を何度も見直すことによって、お客様が飲む前に軽く振ることで簡単に分散する(均一に広がる)新たな技術を開発しました(特許出願中)。

新カテゴリーの飲料は大変だが
やりがいも大きい

Q.工場での生産にも課題が?

一般的な乳性飲料は、工場で数倍に濃縮した原液を生産し、それを水で薄めてペットボトルに詰めています。その原液を安定してつくるために通常は糖度や密度を基準とするのですが、今回は不溶性の乳酸菌が非常に多く含まれている液体のため、糖度の測定や密度の予測が難しく、そこが生産技術における課題になりました。検討を重ね、糖度ではなく「密度を基準にしつつ精度の高い予測式を立てる」ことで、課題をクリアすることができました。

今回のような、まったく新しいカテゴリーを担当するときは、課題も多く、大変な道のりですが開発者としてやりがいが大きかったです。

INTERVIEW 04

真っ白な状態から開発をスタート
体脂肪を減らす乳酸菌を多くの人のもとへ

いつでもどこでも、おいしく体脂肪対策

アサヒ飲料(株) マーケティング第二部 荒川浩一
アサヒ飲料(株) マーケティング二部 荒川浩一

アサヒ飲料(株)
マーケティング二部
荒川浩一

Q.「乳酸菌CP1563株」の飲料化のコンセプトは?

体脂肪を減らす「乳酸菌CP1563株」を素材としてどのような飲料をつくるのか、マーケティング戦略と商品コンセプトをつくるのが私の所属する部の大きな仕事です。今回注目したのが二つの点です。一つは、「カルピス」由来の乳酸菌科学から選び抜かれた独自の乳酸菌であり、「体脂肪を減らす」という確かな商品特長があること。もう一つは、脂肪対策領域へのアプローチの仕方です。「乳酸菌CP1563株」は、 吸収抑制ではなく、カラダについた脂肪を減らす機能なので、食事の時だけでなく、いつでもどこでも体脂肪対策ができることがポイントになります。そこで、機能を意識して飲んでいただくということはもちろんですが、甘いものが好きな方にも、無理なく飲んでいただけるような商品設計を目指しました。

スペック検討に時間を費やし、
新ブランドの方向性を決定

Q.「カラダカルピス」に至った経緯は?

「乳酸菌CP1563株」を活用した新ブランドは、複数の設計案から検討をスタートしました。市場性や商品の受容性調査を踏まえ、やさしさや親しみやすさがお客様のイメージに根付いている「カルピス」ブランドと、かつ独自性の強い「非炭酸」タイプの組み合わせが最適であると考え、開発の方向性が決定しました。「カルピス」の甘く爽やかな味わいがカロリーゼロで楽しめる、嗜好性の高い飲料になっています。

今後は、健康に強みのあるアサヒ飲料を代表とする商品として、しっかりと育てていきたいと思っています。

注)組織名は掲載時(2017年3月)のものです

RESEARCH LIBRARY

研究ノート ライブラリー