三ツ矢豆知識

三ツ矢サイダーの由来や
こだわりの製造方法など
一問一答でご紹介します。

1 なぜ、サイダーというの?

サイダーを英語で書くと「CIDER」。シードルともいわれ、もともとはりんごのお酒のこと。「三ツ矢サイダー」のような透明な炭酸飲料は、アメリカなどではソーダ(SODA)といいます。ではなぜ、日本でサイダーとよばれるようになったのでしょう?

「三ツ矢サイダー」のルーツは、兵庫県川西市にある平野の鉱泉水。明治時代に「三ツ矢平野水」として発売され、その後サイダーフレーバーエッセンスを輸入して、「三ツ矢印の平野シャンペンサイダー」の製造販売をはじめました。これが「三ツ矢サイダー」の前身です。サイダーという名前がついたのは、サイダーフレーバーエッセンスを使っているため。サイダーというひびきが覚えやすかったのか、ソーダのことをサイダーとよぶようになり、サイダーといえば「三ツ矢サイダー」といわれるようになったのです。

2 三ツ矢サイダーはいつから作られているの?

約130年の歴史をもつ、三ツ矢サイダー。明治14年(1881年)、ウィリアム・ガウランドというイギリス化学者が、平野鉱泉を飲み物として「理想的な鉱泉」として認めたことで、炭酸水の製造をはじめ、明治17(1884)年に「平野水」として発売されたのがはじまりです。明治30(1897)年には、宮内省から東宮殿下(後の大正天皇)の御料品に指定され、明治40(1907)年には、サイダーフレーバーエッセンスを使用した「三ツ矢」印の「平野シャンペンサイダー」を発売。その後1952年に、商品名は「全糖 三ツ矢シャンペンサイダー」となり、1968年には、シャンペンという名前をけずり、正式名称を「三ツ矢サイダー」に。いまでこそ、無色透明の「三ツ矢サイダー」ですが、最初のころは、黄色っぽい色だったんですよ。

また、「三ツ矢印の平野シャンペンサイダー」の頃から、三ツ矢サイダーは紙のラベル(当時のラベルは文字が右から左)を貼ったビンに入れて販売されていましたが、1971年には、はじめて缶入りの「三ツ矢サイダー シルバー」缶250mlを発売、1972年からはビンに直接ラベルをプリントするようになり、1985年には1.5リットル入りのペットボトルを発売しました。

容量も、最初は家族が1本のビンからつぎわけて飲むように現在よりも大きなビンで発売されていたのが、暮らしが豊かになってきた1970年には、1人で1 本を飲むように200ml入りの「三ツ矢サイダーシルバー」を発売。ラベルや形状をみていくだけでも、「三ツ矢サイダー」の長い歴史を感じることができますね。

3 三ツ矢のマークはどこから来たの?

「三ツ矢」という名前の由来は、平安時代にまでさかのぼることができます。清和源氏の祖、源満仲が城を築くため、現在の大阪にある住吉大社に祈念したところ、『矢の落ちたところを居城にせよ』と白羽の鏑矢(かぶらや)を与えられました。お告げどおり、満仲が鏑矢を天に向けて放つと、矢は火を吹いて飛び、見えなくなりました。射った鏑矢は、現在の兵庫県にある多田沼に棲みついて住民を苦しめていた"九頭の龍(くずのりゅう)"に命中。

そこで源満仲は、多田沼に居城を定めて多田源氏と名のりました。満仲の放った矢を見つけた孫八郎には領地ともに三ツ矢の姓と三本の矢羽根の紋を与えました。

そんな満仲がある日、鷹狩りに出かけたとき、居城に近い塩川の谷間の湧き水で一羽の鷹が足の傷を治して飛び立つのを目の当たりにし、湧き水が霊泉(れいせん)であることを知ります。それが、多田村平野(現在の兵庫県川西市)の天然鉱泉です。以来、明治初年頃まで、霊泉を沸かした平野温泉郷は永く繁栄してきました。明治時代に平野温泉の水は「平野水」という鉱泉水として認知され、その後、伝承にちなんだ名称をとりいれた「三ツ矢平野水」「三ツ矢タンサン」として市販されるようになりました。これが、後の三ツ矢という商標になったのです。

シャンペンサイダー明治41年・42年登録→シャンペンサイダー→シャンペンサイダー→シャンペンサイダー→「全糖」発売時昭和27年4月シャンペンサイダー→昭和43年三ツ矢サイダー→昭和47年三ツ矢サイダー→昭和47年ビン

4 三ツ矢サイダーは何から作られているの?

『水と香りが宝物。』の「三ツ矢サイダー」。「三ツ矢サイダー」の前身、「三ツ矢印の平野シャンペンサイダー」は、平野の鉱泉水に輸入したサイダーフレーバーエッセンスを使って味付けをしていました。第二次世界大戦のときには、砂糖が手に入らないため、砂糖の入っていないサイダーを売っていたことも。

現在は、水をろ過し、糖液、酸味料、香料などを調合して味を作り、炭酸ガスを溶かして「三ツ矢サイダー」を作っています。甘味には、グラニュー糖、果物などに含まれる果糖と、さわやかな甘味をだすブドウ糖を主成分とした甘味料の液糖を使います。酸味料に使われているのがクエン酸。レモンにも含まれているクエン酸は、サイダー独特のさわやかさのもとです。また、2004年3月から香りと味をよくする香料に使われているのが、レモンやオレンジなどの果実からとった果実由来成分。そして、「三ツ矢サイダー」のさわやかさをさらに引き立てるのが、純度99.9%の炭酸ガスです。

このように、さまざまな材料を組み合わせることで、「三ツ矢サイダー」のさわやかなおいしさは作られているんです。

5 三ツ矢サイダーの水はみがかれているってホント?

おいしい「三ツ矢サイダー」を作るために必要なのは、おいしい水。
「三ツ矢サイダー」には"磨かれた水"を使っています。工場では、活性炭やマイクロフィルター、セラミックなどが何重にもわたって、水を丁寧に丁寧に"磨いて"います。そうすることで、雑味が取り除かれ、炭酸との相性がよくなるように、硬度が調整されているのです。また、この段階で、全国どこの工場でも同じ味になるように調整することも重要な役割です。
この、水へのこだわりが、あの味と香りを引き立てるのです。

6 工場内ってすごい風が吹いているってホント?

「三ツ矢サイダー」を製造している工場では、おいしくて安全な飲み物を作るために、その手順を文書化し、工場で働いている人全員がその手順に従っています。たとえば、工場内に入るとき。衛生第一の工場内は外からの雑菌を防ぐため、製造ライン内に入る前にはまず、帽子と上着を着用、横から強い風を体に当て、体についているホコリやチリを落とします。そのあと、手をよく洗ってから、製造ライン内に入ります。

このような工場の品質管理システムを世界的な基準に基づいて認証するのがISO(アイエスオー)。ISOは、国際標準化機構の頭文字で、自社の明石工場などでは、品質管理システムの国際基準であるISO9001を取得しています。また、地球にやさしい工場であるために、環境問題に関する世界共通のシステム ISO14001も取得しています。

7 出来上がったサイダーをあたためる?

「三ツ矢サイダー」は、多くの工程を経て出来上がります。
まずは、何重にもわたって水を磨きます。次に、糖液や酸味料、香料を混ぜる調合。その水と調合液を冷やしてから炭酸ガスを溶かすカーボネーション。空気中の雑菌を排除したクリーンルームでは、きれいに洗ったペットボトルにフィラーという機械を使って1分間に600本のサイダーを詰めていく充てん。大正から昭和初期にかけて使用されていた自動瓶詰機が製造できたのは、1分間に60本程度だったというから、その10倍の速さで製造されています。そのあとには、風味や炭酸ガスを逃がさないようにしっかりとキャップをしめるキャップしめ。冷たいままだとボトルの表面に水滴がついてしまうのでお湯をかけて常温にもどす温びん。次にラベルを貼っていくラベリングをし、最終的な検査をとおったものには賞味期限を印刷する日付印字をし、箱詰め、出荷します。このように「三ツ矢サイダー」は、製造工程で熱を加えない非加熱製法。だからさわやかな味わいが引き立ちます。

ところで、「三ツ矢サイダー」のペットボトルのラベルって伸び縮みするんです。これは、キャップをあけたときに炭酸ガスが抜けてボトルが縮み、ラベルがはがれてしまうのを防ぐため。今回紹介したのは500ミリリットルのペットボトルを作る場合の製造工程ですが、随所に細かい工夫をしているのが、よくわかりますね。

ろ過→調合→カーボネーション→充てん→キャップしめ→ 温びん→ラベリング→日付け印字→箱づめ→出荷

8 三ツ矢サイダーは宮内省御用達だった?

宮内省御用達・御料品製造所

「三ツ矢」の優れた品質は、宮内省御用達の看板が証しとなっている。宮内省侍医局員の山田薫薬学博士が各地の鉱泉を巡視・分析した結果、1897(明治30)年に「三ツ矢印平野水」が東宮(大正天皇)の御料品に採用されたのである。

帝國鑛泉では、厳格な管理が要求される宮内省への納入品製造のため、1912年に専用施設として御料品製造所を建設した。御料品製造所は、木骨モルタル塗り平屋建ての洋館風建物で、タイル貼りの床や模様を描いた天井など内装も美しく施され、当時から異彩を放っていた。御料品の製造に携わる者は厳しい身許調べが行われた。

大正時代の御料品製造所
当時の御料品製造所内部

製造に際しては、びんはすべて新びんを用い、約50℃の苛性ソーダ液で消毒したのち、ろ過水で手ブラシ洗浄、洗びん機によるブラシ洗浄と噴上式洗浄、さらにろ過水噴水式洗浄を行い、びん詰め直前にも鉱泉を噴出させて洗浄する、という念の入れようであった。機械設備としては、1915(大正4)年ごろに浸びん機から混合機に到るまでの1列がドイツから輸入され、打栓機は1本1本手で行うものが残っている。

  • 三ツ矢の歴史
  • 工場見学のご案内