お茶を飲むと色が黒くなる?

「茶を飲むと色が黒くなる」という言い伝えがあります。現在ではあまり使われることはなくなったのですが、昔はまことしやかに語られていたようです。
お茶はその昔、非常に高価なものでした。元々、「養生ようじょう仙薬せんやく」といわれ、貴族きぞく武士ぶしの間で茶の湯が流行し、庶民しょみんが一般的に飲むことが出来るものではありませんでした。江戸時代に入り、煎茶せんちゃの出現でようやく庶民しょみんにも手の届く飲み物となったようです。しかしながら、嗜好品しこうひんとして価値かちのあるものには変わりなく、大切に扱われていたということです。そのため「貴重きちょうなお茶をたくさん飲まれては困る」ということから、「お茶を飲むと色が黒くなってしまう」という根拠こんきょの無い吹聴ふいちょうをした者がいたようです。「色白いろじろ七難しちなんかくす」といわれるくらいの時代ですから、美味おいしいお茶もひかえるという訳です。

同様に、「茶を飲むと早く年をとる」「茶を飲むと目が悪くなる」という出鱈目でたらめな言い伝えも残っており、どんなことをしても、「お茶」をケチケチと大切に守りたかったことがうかがい知れます。
勿論もちろん、お茶を飲むと色黒になったり、老化が早まったり、目が悪くなったりということはありません。むしろ、身体に良い成分が詰った「理想的りそうてき」飲み物であるといわれています。
「秋なすは嫁に食わすな」ということわざがありますが、「美味おいしく、貴重きちょうなもの」はどの時代でもケチってしまうということですね・・・。