お茶を濁す

自分の知らないことや、くわしくないことで意見を求められてアタフタした思い出はありませんか?そんなとき、口からでまかせを言ったり、ちょっとしたウソをついたりして、その場しのぎをしてしまうことがありますよね。これを「お茶をにごす」といいます。
このことわざは、茶道さどう作法さほうに関係があります。茶道さどうは、鎌倉時代に抹茶まっちゃが入ってきたことと、お茶が当時の座禅修行ざぜんしゅぎょうの中で眠気覚ねむけざましの特別飲料として扱われたことより始まったと言われています。このことから、寺院じいんでの生活の規範きはんの中に「茶のきっし方」もきちんと決められ、「作法に従って飲むこと」が義務付ぎむづけられるようになったのです。もちろん作法は、形式だけのものではなく、「人をもてなす」という意味において様々な趣向しゅこうがこらされて、「茶の湯」として発展していったのです。
この「茶の湯」の作法がよく解らないのでいい加減かげんに形だけ取りつくろってお茶をたて、その場を誤魔化ごまかすことを「にごす」という言葉に例えたようです。
誤魔化ごまかす」という意味のことわざではありますが、その奥には深い茶道さどうの歴史がかくれているのです。