ステークホルダーエンゲージメント

2019年7月31日更新

2019年、アサヒ飲料はお客様に提供する価値をあらためて明らかにし『お客様との約束』として宣言しました。
それが『100年のワクワクと笑顔を。』です。
私たちがお客様や社会にワクワクと笑顔を届け続けていくためには、社員一人ひとりの思いと行動の積み重ねが不可欠です。
そこで、さまざまな多国籍企業のCSRに携わられてきたCSRアジア日本代表 赤羽真紀子氏をお迎えし、
各部門から集まった5名の社員が、『お客様との約束』を実現するために取り組むべきことを語り合いました。

一人ひとりの日々の仕事が生みだす
ワクワクと笑顔

赤羽 真紀子氏CSRアジア日本代表。通算10年以上、さまざまな業種の多国籍企業のCSR担当を経験。環境省、慶応義塾大学、清泉女子大学、立教大学、明治学院大学、国際基督教大学(ICU)、世界銀行、APABIS、ブリティッシュ・カウンシル、東洋経済新報社をはじめ国内外での講演多数。

赤羽 今日のダイアログでは、『100年のワクワクと笑顔を。』というお客様との約束に向けた社員の皆さんの思いをお聞きしたいと思っています。まずは、ご自身の仕事を通じてワクワクしたことやうれしかったこと、お客様の笑顔を感じた経験をお伺いしていきましょう。

八下田 私は工場勤務なので、より安全で安心な商品をつくりお客様にお届けすること、そしていつでもお客様が商品を手にすることができるように工場の稼働率や操業率を上げることが私たちの使命であり、それがお客様の笑顔にもつながることだと思っています。

奥川 私は「三ツ矢」や「ウィルキンソン」の商品開発を担当しています。2017年に昭和初期の味わいを復刻した「三ツ矢サイダー NIPPON」を発売したところ、「当時飲んでいた味だ」などの昔を思い出すきっかけになったというエピソードを、お客様相談室に寄せられたご意見などで目にした時に、お客様の人生に寄り添った商品の開発に携わることができて良かったなと感じました。100年を超え長年愛されているブランドの品質を守りながらおいしさを追求していくことが、お客様のワクワクと笑顔につながっていることを実感した経験にもなりました。

内田 私は営業担当なので、店頭でお客様とふれ合う機会がとても多いです。「カルピス」づくりの体験イベントに多くの方が参加してくださったり、「カルピス」を飲んだお客様から直接「おいしい」と言っていただくと、うれしいですね。
また、私は社内資格の『乳酸菌マスター』 を取得していて「『カルピス』こども乳酸菌研究所」という小学生向け出前授業で乳酸菌に関するいろいろな説明や実験を行なっています。乳酸菌を顕微鏡で見る体験など、子どもたちが本当に楽しく授業に参加している姿を見ることができるのですが、自分が講師となることで子どもたちに笑顔を届けていることを感じるうれしい時間ですね。

※乳酸菌に関する基本的な知識と、アサヒ飲料が保有する乳酸菌や、乳酸菌を活用した商品の価値を社内外に伝える人材を育成し、任命する社内制度。

赤羽 私も企業に勤めていた時に、出前授業を企画したことがあったのですが、その時はまだ企業が学校に対してそのような活動をするのが営利的と見られてハードルが高かったのを覚えています。今はそうした活動が社会から受け入れられていて、教育機関と企業が連携して子どもたちを育成していく環境は本当にすばらしいと思います。また、子どもたちは「カルピス」がおいしくて好きだと思うんですが、おいしさだけでなく乳酸菌について学ぶ機会にもつながり大変良いことだと感じますね。

マーケティング本部 マーケティング二部吉濱 健二

吉濱 マーケティング部門では、「カルピス」100周年の今年は、「おいしさと健康」「想いをつなぐ」をテーマに活動しています。「想いをつなぐ」活動のひとつとして、ひなまつり時期には、子どもの成長を祝うひなまつりをご家庭だけでなく社会全体で祝う場をつくりたいと考え、イベントを企画しました。その中で、これまで全国の保育園や幼稚園で行なってきた読み聞かせイベントを、ひなまつりのお祝いとともに店頭でも開催したところ、親子揃って楽しんでくださっている表情が見えて、ワクワクと笑顔を届けられたのかなと感じました。

前田 お客様相談室は、お客様から直接電話をお受けしてお話を伺える貴重な部門です。ですから、お客様が本当に聞きたいこと、話したいことなど、質問した本意や心の声をお伺いできるよう心がけています。お客様の商品への愛情や思い入れをお聞きすると私としてはとてもワクワクしますね。
また、最近の感動したエピソードでは、2018年9月に北海道で大規模地震があった約1ヵ月後に、被災されたお客様から「『カルピス』に助けられたのでお伝えしたくて」とお電話をいただいたことがありました。詳しくお伺いすると、震災で電気が使えず、水分を摂るのに水道水しかなくて辛かった時、「カルピス」を混ぜて飲んだら本当においしくて水分補給もできて助けられたという内容でした。その後、防災リュックに「カルピス」も入れるようにしたことや、周りの方々にもおすすめしてくださったというお話をお伺いして、私たちの商品がお客様の役に立っていることを感じ、とてもうれしかったです。

マテリアリティの実現に向けて
取り組みを強化していく

赤羽 次に、アサヒ飲料のマテリアリティのうち、『健康』『環境』『コミュニティパートナーシップ』についてお伺いしたいのですが、皆さんの日々の仕事を通じて、この3つの領域で課題を感じる部分や目指していることなどがあればお聞かせいただけますか?

奥川 『健康』では、乳酸菌の機能を活用し多様な商品につなげていますが、それ以外の素材でもさらに健康価値をお届けしていくことが課題のひとつだと感じています。例えば炭酸飲料ですと、無糖の炭酸水は日本でも海外でも近年伸びている領域で、お客様の健康ニーズの表れのひとつだと捉えています。そのような健康に関するニーズにお応えするために、健康素材の探索やその素材がもつ有用性を健康に役立てていくという観点をもって、開発にアプローチしていくことが重要だと思っています。

関東支社 営業一部内田 美希

内田 アサヒ飲料は健康に強いブランドをたくさんもっているにもかかわらず、お客様にそれを伝えきれていないということを感じますね。体脂肪を減らす乳酸菌を使った商品や健康素材を活用してつくられている商品でも、試飲会でお客様にお伝えすると、その機能や商品特長を知らないことが意外と多いんです。私たちは健康への強みをどんどんお伝えしているつもりなのですが、お客様にはまだ十分にはお伝えできていないのかなと感じます。

前田 お客様から乳酸菌に関するご質問も多くいただきます。一般的に、乳酸菌は生きて働くというイメージをもたれることも多いのですが、実は、生きている生きていないにかかわらず乳酸菌を構成する成分や生みだす成分が役立つものもあります。お客様には、それぞれの機能や、体の中での働きをご説明しているんですが、そういった情報ももう少し積極的にお伝えしていく必要があると考えています。

赤羽 健康に良いというアピールは、特定保健用食品などでない限り、法律の縛りなどもあってコミュニケーションが難しいですよね。店頭やパッケージなどを通じたコミュニケーションの積み重ねが必要かもしれません。

吉濱 『健康』と『コミュニティパートナーシップ』を掛け合わせた取り組みのひとつに、『発酵BLEND PROJECT』というものがあります。古くから発酵食品を大切にしてきた地域の皆様とともに、日本の食文化である発酵の魅力を広げていくという取り組みで、発酵食品のおいしさやそれが生みだす健康価値を伝えています。2018年には、沖縄、滋賀、愛知のご当地発酵食品と「カルピス」を組み合わせたオリジナルブレンド飲料を地域限定で販売しました。それぞれの地域のお客様にご当地の発酵食品にも「カルピス」にも愛着をもっていただけるようになればと考えています。

群馬工場 製造部八下田 晃史

八下田 工場でも地域とのつながりを大切にしています。地域で継続されているイベントを一緒に盛り上げたり、地域主催の清掃活動に参加したりするなどの活動が『コミュニティパートナーシップ』、地域への貢献につながっていると思います。また、2019年からは群馬工場で通年の工場見学が開催できるようになるので、工場のある館林にもたくさんの方に来ていただき地域の魅力も伝えたいですね。

吉濱 『環境』に目を向けてみると、容器包装のプラスチックの問題に対して、流通や生活者の意識が高まっていますね。アサヒ飲料では、これまでも「三ツ矢サイダー」の一部商品にオールバイオの素材を使用するなど商品を通じた『環境』への取り組みを進めてきましたが、2018年には業界初のラベルレスボトルの販売を始めました。まだ認知度が低く一部の商品への展開に限られているので、今後はいろいろなブランドに拡大できればと思います。『環境』に配慮した活動の中で、商品を通じて何ができるのかを、業界の中で先駆けてリードしていくことを意識していきたいです。

赤羽 世の中の流れを受けて、今後アサヒ飲料として何をしていくのかというビジョンを打ちだしていくことが必要ですね。日本の企業は自分たちの取り組みをあまりアピールしないので、積極的に発信していくのが良いと思います。

部門間の連携を深めながら
ともに未来を築いていく

赤羽 それでは最後に、今後皆さんが取り組んでいきたいことや、アサヒ飲料をこんな会社にしていきたいという思いをお聞かせください。

吉濱 マーケティング部門としては、社会的価値につなげていくことを考えながら持続的に売れる商品、利益を生みだすしくみをつくっていきたいと思っています。嗜好やライフステージが多様化する中で、より一人ひとりに寄り添った商品を考え、お客様の期待を超える価値を提供してワクワクと笑顔を100 年にわたってつくっていけたらと考えています。

商品開発研究所 商品開発第一グループ奥川 奨

奥川 地球温暖化や自然災害の影響が原材料の調達リスクになる可能性は大きいので、サプライヤーの皆様と一緒になって、リスクを分散しながら調達できるしくみや、今使っている原料の代替となる原料を検討する取り組みを進めています。それらも踏まえて、マーケティングと商品開発が二人三脚で、現状を超えるおいしさや楽しさを届けられる飲料を開発していけたらと思います。

八下田 今日は、それぞれの部門の努力や思いが聞けて本当に良かったです。工場では、安全が何よりも優先され、そのうえで品質・安心が重視されます。マーケティングや商品開発で企画された商品を、より安全、安心な形で、1本でも多くつくれるように努めています。また、工場は近隣の方々のご理解とご協力があって成り立っている部分も多いので、地域貢献活動を今後も継続していきたいと思います。

内田 営業の立場では、いちばんお客様に近い存在として、アサヒ飲料の商品や強みについてお客様に伝え、広めていきたいと思います。一人のお客様に伝われば、さらにそのご家族や周りの方にも伝わるかもしれません。地道な活動の積み重ねですが、一人ひとりの社員が誇りと意識をもって、お客様に丁寧に伝えていく、そんな思いを大切にして営業活動を続けていきたいです。

品質保証部 お客様相談室前田 佐智子

前田 お客様相談室には、お客様と会社の架け橋の役割もあると感じています。だからこそ、お客様の声をきちんと担当部門に伝えて、これからの改善に役立てられるようにしたいです。環境配慮はもちろん必要ですが、お客様の使い勝手や商品価値とのバランスが大切だと思っています。お客様の利便性を保ちながら環境にも取り組んでいくためにも、お客様の声を活かしていきたいですね。

赤羽 今日、社員の皆さんからそれぞれの現場での活動や感じていることをお伺いして、皆さんの意識の高さや、ブランドを大切にする思い、自分の持ち場で何ができるかを常に考えている姿勢を強く感じることができました。企業活動を進めていくうえで、ほかの部門と横のつながりで取り組まなければ進められない課題もたくさんありますので、これからも横のつながりは大切にしていただきたいと思います。今後も消費者の方々と課題認識を共有しながら、アサヒ飲料としてどのように取り組んでいくかというビジョンをメッセージとして発信していっていただくことを期待しています。