最新の脳波解析技術を応用
世界初 ! 缶コーヒー飲用時に無意識下で
感じている様々な“気持ち(感性)”の数値化に成功
~慶應義塾大学とアサヒ飲料での共同検証~

研究・技術

2016.09.27

 アサヒ飲料株式会社(本社 東京、社長 岸上克彦)は、慶應義塾大学との共同検証において最新の脳波測定技術「感性アナライザ※1』を応用し、缶コーヒーを飲んでいるときに無意識下で感じている様々な“気持ち(感性)”を世界で初めて数値化することに成功しました。

 近年お客様から寄せられる声の中にブレンドタイプの缶コーヒーを仕事前に飲むと「気持ちがすっきりして前向きに仕事に取り掛かれる」「なぜか明るく、前向きになれる気がする」といったご意見を頂いております。一方で、そのことを数値化して説明することが困難でした。

 今回、脳波研究の専門家として様々な領域でご活躍される、慶應義塾大学 理工学部 システムデザイン工学科 満倉靖恵(みつくら やすえ)准教授の協力のもと、信号解析技術をベースとした最新の脳波解析装置「感性アナライザ」を、世界で初めて、缶コーヒーの飲用時に合わせて使用。その結果、飲用時の気持ちの変化をリアルタイムで数値化することに成功しました。さらにアサヒ飲料の“スッと飲めて、キリッとした苦味を持つタイプのブレンド缶コーヒー”※2を飲む前と飲んだ後で比べると、特に「ストレス」が低下する傾向が見られる※3、という結果を得ることができました(図1参照)。

図1.缶コーヒー飲用前後でのストレス度の比較

図1.缶コーヒー飲用前後でのストレス度の比較

図2.感性アナライザヘッドセット

図2.感性アナライザヘッドセット

※1感性アナライザとは…
慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科 満倉准教授と株式会社電通サイエンスジャムの共同開発装置。脳波から感性をリアルタイムで把握するシステム。ヘッドセット(図2参照)を付けて簡易的に計測した脳波を解析し、「ストレス」「好き」「興味」「集中」などの感性指標を瞬時に評価できる。データは1秒毎に計測ができるため、これまでできなかったその時、その瞬間の心の変化を把握することができる。

※2スッと飲めて、キリッとした苦味を持つタイプのブレンド缶コーヒーとは…
『抗酸化高低温二段抽出』(特許5324617)技術を用いて作られたブレンド缶コーヒー

※3ストレス度の比較…
缶コーヒー飲用前のストレス度を100%として、飲用前後で比較

 「感性アナライザ」は様々な分野において応用が見込まれる技術であり、既にタイヤ性能評価などについても活用されていますが、飲料としては今回が世界初の試みとなります。今後はアサヒ飲料の“スッと飲めて、キリッとした苦味を持つタイプのブレンド缶コーヒー”におけるストレス低下の要因解明はもちろん、缶コーヒーに限らず、様々な飲料における飲用前後の“気持ち(感性)”の変化をリアルタイムで測定、数値化することで、新たな商品開発、ブランド育成につなげてまいります。

<満倉靖恵先生のプロフィール>
慶應義塾大学 理工学部 システムデザイン工学科 准教授信号処理、機械学習、パターン認識、人工知能、統計処理などの技術を用いて、生体信号や音声、画像から必要な情報を抽出する研究に従事。現在は脳波と画像を扱った研究や医学との融合を中心に推進。

<満倉靖恵先生のコメント>
「食品や飲料は、子供から大人まで幅広く人々の暮らしに密着しており、感性との関わりが大変興味深い分野です。今回は、缶コーヒー飲用時の脳波解析の結果からストレスが軽減されることが検証できました。また、ストレス度をリアルタイムで数値化することができ、調査を行なった4種類の缶コーヒー比較において、ストレスの軽減する割合が異なることも検証できました。今後も、脳波解析技術を用いた、その時、その瞬間に感じている様々な“気持ち(感性)”の解明に期待が持たれます。

満倉靖恵先生

<脳波測定調査 概要>

  • 調査内容
  • 検証実施日  2016年1月30日(土)
  • 被験者    30~50代 男性 週一本以上缶コーヒーを飲用する方
  • 被験者数   50名(内訳:30代18名、40代16名、50代16名)
  • 検証実施場所 東京(新宿)
  • 検証品    一般的なブレンド缶コーヒー3種類
           +“スッと飲めて、キリッとした苦味を持つタイプのブレンド缶コーヒー”1種類 計4種類
           ※検証品は温めた形で試飲
調査風景1

調査風景1

調査風景2

調査風景2

  • 検証まとめ
    ブラインドで飲用した時のストレスの変化を感性アナライザを用いた脳波測定により解析。その結果、アサヒ飲料の“スッと飲めて、キリッとした苦味を持つタイプのブレンド缶コーヒー”を飲用後にストレスが低下する傾向が示唆されました。現在、ストレスが軽減した理由として、コーヒー豆の焙煎や抽出方法による香りや味の香味、およびトータルでの香味バランスに起因している可能性があると考えており、更なる検証を進めています。
  • 学会発表
    計測自動制御学会第97回パターン認識研究会(日時:2016年5月13日、場所:慶應義塾大学矢上キャンパス)にて発表しています。